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アルトブログ

2020.02.15

ランニングで膝の痛みを引き起こすトリガーポイントと施術例

こんにちは。

はり・きゅう・マッサージ治療院altoの加賀谷です。

日ごろ、ランニングやウォーキングを楽しむ方を悩ませるのが膝の痛みではないでしょうか。

来院される方の中には「マラソンしたら膝裏が痛くなった」「膝が痛くて歩けない時がある」との症状を訴える方も少なくありません。

今回は、そんな悩みを持つ方にご参考いただきたく、トレーナーとしての活動先であるラクロス選手の症状例と、実際行ったトリガーポイント施術について紹介したいと思います。

※トリガーポイントとは、日本語でいう「痛覚過敏部位」。筋肉、筋膜、腱、靭帯など体内にある痛みを感じるためのセンサーで、痛みやコリの原因になると言われております。

今回ご紹介する選手は、MRI検査を受け「腸脛靭帯炎」、通称「ランナーズニー」とも言われる怪我と診断されました。

この怪我はラクロスだけでなく、その名の通りマラソンなど長い距離走ることを強いられるスポーツでは発症頻度が高いので、趣味や日課でランニングをされる方も最後までお読みいただけますと幸いです。

腸脛靭帯炎と診断された選手の症状


・膝の曲げ伸ばしに伴って、膝のお皿の外側が痛む
・練習を休むと痛みが軽減するが再開すると痛みが増してくる
・普段土や芝のグラウンドで練習しているにも関わらず、コンクリートでランニングをするトレーニングがあった後から痛み出した



※プロメテウス 解剖学アトラス第3版より引用
※赤で囲った部分に痛みが出ることが多いです。


トリガーポイント施術


まずは痛みの原因となっているトリガーポイントを探し出します。


膝を曲げる際(膝関節の屈曲)に痛みが顕著に出ていたのでもも裏の筋肉(外側⇒大腿二頭筋短頭・長頭、内側⇒半膜様筋、半腱様筋)やふくらはぎの筋肉(腓腹筋)を触って確認すると、もも裏の外側の筋肉(大腿二頭筋短頭)の膝裏付近を押した際にいつも感じている痛みの部位にいつもと同じような痛みの感覚が発現しました。

 

これは再現痛といい、押した部位が痛みの発信源、つまりトリガーポイントであることを示します。本人が痛みを感じている部分とその原因の部分が異なるので厄介ですね。


トリガーポイントを発見したら、マッサージにてその部位を刺激していきます。

 

初めはうつ伏せで膝を伸ばした状態でマッサージを行いましたが同部位にアプローチしていくと少し膝を曲げても痛みが軽減したため、少し曲げた状態でさらに同部位をマッサージしていき、そこからさらに曲げれるようになったらさらに曲げた状態でマッサージを行うというように曲げれる範囲を増やす且つ曲げた状態でマッサージを行っていきました。


当日は、膝を完全に伸ばした状態から20°程度曲げた状態で酷く痛がっていたのが、治療後は45°程度までは痛みなく曲げることができ、それ以降の角度でも痛みは多少あるものの曲げること自体は可能になりました。


その後、同じ部位を同じように2回ほど治療することで痛みは完全になくなり、今では通常通りプレーするところまで復帰することができています。

 

原因の断定より動作の観察が大事

今回のケースでは、膝を曲げる時に痛みを訴えていたため、大腿二頭筋短頭にあるトリガーポイントに気付くことが出来ましたが、今回と同じ部位に痛みを感じていたとしても、痛みをどのような動作で感じるのかによりアプローチする部位は変わってきます。

 

実際に、今回とは反対で膝を伸ばすことで同部位(膝の外側)が痛む選手もいますし、膝ではなく股関節を動かすことで同部位(膝の外側)に痛みを感じる人もいるので痛い部位を追うのではなく動作を観察するのが大切ですね。