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アルトブログ

2019.10.02

シンスプリントとは? 関係の深いトリガーポイントと療法について

こんにちは

はり・きゅう・マッサージ治療院altoです。


今回は、私がトレーナーとして帯同しておりますラクロスチームの中で今シーズン頻発した怪我についてご紹介致します。

前回も取り上げたようにラクロスというスポーツは、短い距離のダッシュから、継続したランニング、クロス(ボールを投げたりキャッチしたりする長い棒の道具)を使った上半身の操作、相手との衝突など、その運動様式は多岐にわたります。そのため怪我においてもその数はもちろん、怪我が起こる部位や種類も様々です。

 

その中でも、今シーズン多かった怪我は、「シンスプリント」です。

「シンスプリント」とは、繰り返しのランニングやジャンプ動作により脛骨と呼ばれるスネ(シン)の骨の主に内側に痛みを感じる怪我です。脛骨の内側にはヒラメ筋や長趾屈筋、後脛骨筋という筋肉やそれらの筋膜が付着しており、それらが脛骨を覆う骨膜を牽引し痛みが発生すると考えられています。これらのことからオーバーユース症、いわゆる使い過ぎによるものが大きいとされています。

ラクロスでは、練習時間は2〜3時間、試合では約1時間を断続的に走り続けるため、上記の部位への負荷は大きいと考えられます。

その他、陸上、サッカー、バスケットなどのスポーツでも頻発しますし、合宿などで練習量が増えたり、新入生がこれまでより負荷の高い練習を始めたりするタイミングでもよく発生します。

 

ラクロス部のA君も、シーズンが始まり練習時間が増え、試合も毎週行うような状況が続いた時期に発症しました。

 

症状は

・痛みは脛骨の内側で内くるぶしの上10cm辺りに感じる。

・荷重をかけていない状態での足首の動きでは痛みは感じないが、片足立ちになった際や歩行時に足が地面に接地する際に痛みを強く感じる。

朝起きてベッドから降りた1歩目がとにかく痛い。

・ウォーミングアップの段階では痛く、身体が温まると痛みが落ち着練習後また痛みが増してくる。

・ひどい時には練習の最後まで参加できない。

・部活のオフ明けは調子の良い日が多い。

 

以上の症状から、繰り返しの負荷により筋肉、筋膜に発生したトリガーポイントが痛みを引き起こす事例が多かったため、トリガーポイント療法を行いました。

対象となったトリガーポイントは、シンスプリントと深い関係を持つとされる、後脛骨筋と長趾屈筋に発生するトリガーポイントです。



トリガーポイントとは、日本語でいう「痛覚過敏部位」。筋肉、筋膜、腱、靭帯など体内にある痛みを感じるためのセンサーで、痛みやコリの原因になると言われております。



どちらともに鍼を打ちましたが、トリガーポイントに当たった際にはスネ全体に広がるような感覚がありました。この選手が普段感じている痛みとその範囲に一致しているようでした。この感覚を再現痛といい、トリガーポイント特有の感覚です。

さらに、10分間の鍼通電を行った後に刺鍼部と張りを感じていた足底部、大腿部、臀部に対してマッサージを行いました。

 

治療後は、鍼を打った箇所に多少の重だるさを感じていましたが、痛みは半分以下に軽減しており、翌日の練習の際には重だるさもなくその日は最後まで練習が出来たようです。

それ以降は、2週間から1ヶ月に一度ほどメンテナンスを行い、セルフでストレッチやマッサージを行うことで練習を途中で抜けることや以前のような痛みを引き起こすことはなくなりました。



当院にお越しになられる患者様は、長時間の同姿勢が続くことによる首痛や腰痛をお持ちの方が多い印象です。

暑さも和らぎ、気持ち良く運動出来る季節になったことで、ランニングやトレーニングを新たに始め、繰り返しの負荷がかかることでこれまで感じていなかった部位に痛みを感じてしまう方も増えてくると思います。

トリガーポイントは痛い場所とは一致しないことから、痛い場所ばかりを追ってしまうと治りきらないこともあります。また、人間は痛みを回避するために痛くない動きを探し出し、自身では根源がわからなくなってしまうケースも存在します。

いつもと違う痛みを感じたり、何か新しいことを始めたタイミングなどと一致していた場合はお早めにご相談頂くことをオススメ致します。



はり・きゅう・マッサージ治療院alto
加賀谷